短歌六首
ときどき短歌の限界を考えて見る。表現としての限界ではなく、短歌が短歌として成り立ちうる限界。 たとえば、五七五七七を崩していき短歌とよべるぎりぎりを考える。 そんな六首。 私のとなりで眠る少年はやすやすと明日の私を殺すのだった 唇の隙間から見える鋭い歯によつてのどもとを食いちぎれ食いちぎれ 背丈の変はらぬ二人で並び歩きし橋の上鋭き風を身に受けつつ 写真をとられるのをあれだけ嫌がつてゐた君の顔を写したものは一枚もない 来年の干支が何か分からないので年賀状の送り送られが無いのに気付く 肺碧き少年ルナアルの左目を触る彼の指は確かに優しげだつた
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