2012年10月10日水曜日

短歌 七首


今君はゲッティンゲンにゐるのだと思つて何もないかべを見る

君のその鋭い八重歯に喉元を噛まれて死ねば楽になるのに

君に贈つた本や栞や言葉などすててしまつてかまはない

目はきつととらへはしない「裏切り」と貼られたみじめな顔出す人を

この歌を他の誰でもなくけして読まない人に贈ろうと思ふ

 和歌として詠みし二首

立ち別れし日にせなも見ず十三夜おぼろに乱る春ならなくに

雲居にもかよふ心は届かねど忘るな君と見し渡る月

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