収めよう、出来れば題を持たない本を。
雑感をまとめているだけのサイトでしたが、最近はカフカやヴァルザーなどの短文・詩を訳して載せております。
2012年10月10日水曜日
短歌 七首
今君はゲッティンゲンにゐるのだと思つて何もないかべを見る
君のその鋭い八重歯に喉元を噛まれて死ねば楽になるのに
君に贈つた本や栞や言葉などすててしまつてかまはない
目はきつととらへはしない「裏切り」と貼られたみじめな顔出す人を
この歌を他の誰でもなくけして読まない人に贈ろうと思ふ
和歌として詠みし二首
立ち別れし日にせなも見ず十三夜おぼろに乱る春ならなくに
雲居にもかよふ心は届かねど忘るな君と見し渡る月
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