2012年10月9日火曜日

短歌 七首





「君に冬が来ますね」と云ふ僕にまだ冬が来ないといふわけじやない 

カントさんの道徳論にしたがつて暮らしてみたら楽になつた 

一日がただ座るだけで過ぎること働くことつてこんなんだつけ 

自殺する夢を見たから許してよ死んでないけど死んだんだから 

積木のやう高くなるだけ不安定になる舞いあがつてばかりのこころ 

まみどりのがばりと樹々が覆ふ夏過ぎたら街が明るくなつた 

集団墓地を思い出す午の横断歩道待つ人々を見て 

苦しまぎれの言葉さへまた君を苛立たせてる それは知つてた




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