2013年2月21日木曜日

カフカの翻訳「サンチョ・パンサに関する真実」



 今回のは、自分でもあんまし上手くないなと思います。
 あまりにごちゃごちゃしていてピンとこなかった。
 訳し終えてから池内さんの訳読んで、あ、うまい、と思った。

 池内さんの訳はうまいです。
 ただ、やっぱりカフカが書いたものが「小説」になってしまっているのがいけない。
 つまり、書くという意志が削がれて「書かれたもの」になってしまっている。
 その磨きがうまいから、ひとつのダイアになった、ともかんがられるけれども、
 カフカの書いたものはそもそもそうしたダイアをみがく砂のようなものである気がするのです。


 サンチョ・パンサは、ところで一度も自慢したことはないが、長い年月の間、騎士道小説や強盗小説を夕方や夜の時間に多く読むことで、後にドン・キホーテと名前をつけることになる、彼の悪魔をつかって自分がやろうとしていた放埒で気の狂った行為をさせることに成功した。悪魔のやるそうした行為は、本当ならばサンチョ・パンサがそうであるべきだったのだろうが、向けられる相手があらかじめ決まっていなかったために誰も傷つけることはなかった。サンチョ・パンサ、この自由な男は、黙々と、ひょっとしたらなんらかの義務的感情を胸に抱きながら、ドン・キホーテの行く道を付き従い、そしてドン・キホーテが最期を遂げるまで盛大で有益な楽しみを享受したのである。


 ちなみに池内訳を読んでかなり訳が変わりました。

 意見等ありましたら、コメントよろしくお願いします。

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