ロベルト・ヴァルザーの詩「事務所にて」
つくるということが最近はできないでいる。
やることといったらつくりかえることくらい。
それも必要にせまられてではなく、
必要を感じるためにつくりかえる。
「事務所にて」
月が僕らを見る、
彼にとって僕はみじめな雇われでしかない、
雇い主の厳しい目にやつれた
みじめな雇われでしかない。
いごこちわるく首を掻く。
生きるという陽の光を浴び続けるなんて
僕には出来そうもない。
足りないということが僕にはふさわしい、
それが雇い主に見られながら
首を掻くしかないということ。
月は夜の傷。
血の雫は全て星。
例え輝かしい幸福からはとおくとも、
おこぼれくらいはもらえるのだ。
月は夜の傷。
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