2011年9月17日土曜日

ぼくのプロポ 003

  ○ 

 ぼくはただ当たり前のことを書くだけなのだ、正確な筆記を以て。 
 その当たり前を読まない人は、ただ踊り、歌い、食物を食い、眠りを貪り、己の享楽をのみ大事としている。残念でならない、彼らのために書いた文章はすべて、彼らの尻の下に敷かれ、その汗で滲んでいる。 

  ○ 

 何を求めているのか、知らない。高い塔の上で書物に囲まれ生きる老隠者のように、ひっそりと、黙々と、知識を得る人よ。知識は、死と同時に消滅する。何のために知を得るか。 

  ○ 

 一人の狙撃手のように。言葉を狙い撃つ。若々しいのも、老いたのも、狙撃手の前では同等、そこには生か死のどちらかしかない。死の宣告もなく、殺される言葉はなるべくしてなったのか、はたまた偶然か。 

  ○ 

 どうしても生活のレベルというものは下げにくいもの。例えそれが、100円のお菓子を買わないことでも。「いままで」が「これから」と結びついてこそ「今」があるのだという、人間の無意識な生き方がそうさせるのかもしれない。如何に100円のお菓子を買うことと買わないことを結びつけるか、それが問題です。 

  ○ 

 問は答えを選ばせる。問われた私たちは答えの選択を迫られる。その時の態度が私である。私たちは問うことばかり考える、問われなければならない。まなざすのではなく、まなざされること。まなざしかえすこと、時に逃げること。私がその中にいる。 
 

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